転落人生~詠~
私にはお付き合いをしている彼女がいました。
大学卒業後、すぐに彼女と結婚しました。
その一年後、勤めていた会社が倒産しました。
世間は不景気の真っただ中。
職安には人があふれかえっていました。
私はすぐに就職はしませんでした。
パチンコ・パチスロで生計を立てていました。
これがまた非常に苦しくて、まったく楽しくありませんでした。
「もっと楽しんでやりたい」
そんな気持ちで再就職をします。
縁があって千葉県へ。
奥さんは身ごもっていました。
奥さんは出産のため実家へ。
久しぶりに一人の生活が始まりました。
生活費の為に渡された4万円。
自由に使いました。パチスロに。
好きな機種を好きなように打って、一日でなくなりました。
この時初めて借金をします。
カードが送られてきても受け取るのは私。家には誰もいません。
踏みとどまれませんでした。
子どもが生まれた時、既に借金は100万を超えていました。
打ち方が完全に依存症の打ち方になっていることに、当時はまだ気づけずにいました。
奥さんと子どもが帰って来た時から地獄の生活が幕を開けました。
毎月の返済は小遣いの範囲で返せるはずもありません。
自転車操業でしのいでいました。
いつかはスロットで大勝ちして全額返済してやる。
方法はそれ以外に思いつきませんでした。
そんな生活は長く続きません。
直ぐに破たんします。
ここで人生で一番の大嘘をついて親から金を引っ張りました。
全額返済、チャラにしました。
救われた気がしていました。
この金額のうちに、全てを告白し、ギャンブルを辞めていれば…
後の祭りです。そんな簡単にはいかない病気です。
私の依存症は始まったばかりなのです。