埋め合わせ
新たな出発の為にはやらなければならないことがありました。
先延ばしにしていた母親への埋め合わせです。
病気が発覚してから母親とは疎遠になっていました。
病気に対しての理解がなく、話をすれば喧嘩になっていました。
特に精神疾患に関しての理解を全くしてくれませんでした。
何回も立て替えをしてもらっていたにもかかわらず、私には恨みの感情しかありませんでした。
このままでは私の回復に繋がらない。
理解してもらうのは不可能としても、伝えなくてはならないことは他にもあるはず。
私は母親に対する気持ちを紙に書きだしました。
恨みよりも申し訳ない気持ち、感謝の気持ちが大きいことがわかりました。
でも直接話をすると、素直になれない。
売り言葉に買い言葉となってしまう。
冷静に自分の気持ちを伝えたい。
そんな思いで手紙を書くことにしました。
自分の今の現状。
これからのこと。
今の素直な気持ち。
冷静に、何度も見直し、相手を傷つけない様に。
返事は無くてもいい。
気持ちが伝わればいい。
住所も知らせていなかったので、自分の住所をしっかりと書いて。
ポストに投函しました。
手紙だと反応がない場合、埋め合わせできたかどうかわからないので、基本的には直接会うべきだとよく言われてました。
しかし、今回は、冷静に行うこと、自分の考えをまとめること、伝えること、自分側の掃除ということを考えると、手紙が最善のように思いました。
数日後、母親から返信が届きました。
短い文章で、
「知らせてくれてありがとう。応援しています」
と書かれていました。
私は涙が止まりませんでした。
どんな感情の涙かわかりません。
とにかく涙があふれてきました。
母親への埋め合わせと同時に、ステップ9を無事進めることが出来ました。